藤田伸二さんは、曲がったことが嫌いで、義理人情に厚い名ジョッキーです。未知を極めた漢が見た世界とは。
藤田伸二とは
北海道生まれのジョッキーで、1991年3月にデビュー戦に臨みます。ノーザンコンダクトという馬に騎乗し、1991年のラジオたんぱ杯3歳ステークスという重賞を勝利し、以後2011年まで21年連続で重賞を勝利を収めます。
豪快な騎乗で有名ですが、しかし、他の馬への進路妨害を行わないクリーンな騎乗で多くのファンがいます。フェアプレー賞というJRAが現役騎手に送る賞を、歴代で最多受賞しているほどです。
競馬という世界
読みやすいです。
競馬という全く知らない世界でしたが、興味深く読み進められます。書店サイトのレビューでも高評価が多いのもうなづける文章です。
プロスポーツは、選手だけでなく、チーム、団体等取り巻く環境、などが複雑に入り混じるエンタテインメントです。さらに、競馬は「馬」という人間以外の要素も大きいもの。また、短いレースの中では駆け引きなど、人間と馬のドラマが繰り広げられます。
フェアプレーを重視した男が、その競馬界の仕組みや裏側を紡ぎます。ややもすると「暴露本」「後ろ向き」ととられかねない内容も、そんな藤田伸二さんが書くからこそ説得力が増します。
エージェントというシステムもこの本で初めて知り、なるほどと思ったものです。調教師、厩務員、馬主、JRA、さまざまな人間模様が交錯する世界を、憂いも含めわかりやすく書いています。
競馬ファンならば間違いなく楽しめる1冊。
そうでない人も、普段と違った世界を知り視野を広げる、という読書の楽しさを再認識できるオススメの1冊です。
騎手の一分 競馬界の真実 (講談社現代新書)/藤田伸二
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※2013年9月5日時点での販売状況