先日近所のゲームショップに行った時のことですが、もうパッケージ版のほうが安いんですね。
あるゲームショップで見た価格
先日、近所のゲームショップに足を運びました。
ダウンロード版の札がかけてある棚はおなじみなところ。最近では、コンビニでもマリオやモンスターハンターなど、人気タイトルのダウンロード購入カードが実店舗で買えます。
その陳列で、3DS版のNew スーパーマリオブラザーズ2が、4280円でした。一方、ダウンロード版は4800円。
どれくらい利益に差があるのかは分かりませんが、いずれにせよ、パッケージ版とダウンロード版が同じ棚に陳列され、そして価格が違うという状況を目にしました。メモリやパッケージが必要な分、パッケージ版のほうが高いと思っていた私は、考えを改めなくてはなりませんでした。
電子書籍が店頭で買える
陳列という点では、電子書籍もじつは、紙の本と同じ棚に陳列され販売されています。三省堂書店では、店頭で電子書籍が買えるのです。
上図のように、万能鑑定士シリーズなど、一部の書籍は同じ棚に並べられています。まるで、DVDとブルーレイを選んで買えるかのようです。こうなりますと読者は、好きな媒体を選んで買うことが出来ます。
電子か紙かの価格差を実感する消費者
前述の書店は、まるで「リアルAmazon表記」。
Amazonの書籍詳細ページでは、新刊、文庫、中古、電子と複数の媒体があれば、比較一覧されます。ユーザーは好みの買い方で買えるわけです。
翻って前述のゲームソフトの価格。
パッケージ版のほうが安い、ということはいろいろな事情があるにせよ、一部ではパッケージの管理コストを抑えるという役目もあるのではないかと思いました。
Amazonでは既に、購入ボタンのすぐ下に「買い取りを申し込む」ボタンが表示されます。
例えば、2013年9月25日1時42分、5936円の3DS版「モンスターハンター4」ですが、買取価格は最大で4510円と表示されています。つまり、即売却すれば、実質1426円のレンタル費用でゲームを楽しめることになります。
とにかく現物は流通させる、そしてそれぞれでタッチポイントを作ることで、利益最大化を目指す、という考え方なのかもしれません。
折り合いの付け方は始まったばかり
パッケージ版が安いゲームソフト、DVDとブルーレイで価格が同じ映像、電子版のほうが安い音楽、書籍。
販売するそれぞれのストアの置かれている競争具合や、販売の背景など、さまざまな要因が絡み価格は決まります。しかし、価格の流動性があるリアルな媒体はストアにメリットを生み、流動性の低いダウンロード版は著者にメリットを生むと思います。
しかし、電子書籍の場合は、トップランナーのAmazonでさえ、ストアが無くなったらデータが開けないというリスクをはらんでいます。
ということは、電子書籍の場合、価格流動性と作者のメリットを最大化する公約数を模索する必要があり、作者も自分の取り分を変動させることに踏み込むべき、と考えらます。それが、今のKDPの作者主導のセールなどにあたると思うのです。
そういう状況下では、出版社も、今までと違う価格戦略を迫られています。現在大手を中心に、さまざまな試行錯誤が行われています。最近では、講談社が人気コミック「キングダム」を10巻無料で読めるというキャンペーンを展開し、しっかりと売上にも寄与したと聞きます。なお、そもそも論として、日本式の書籍流通の仕組みも再構築が迫られる日も来るかもしれません。
コンテンツを買う側と売る側とで、価格の折り合いの付け方は、始まったばかり。しかし、お気に入りのストアが見つかれば、それで済んでしまう程度の差なのかもしれません。
ああ悩ましい。