東浩紀さんの対談本「父として考える」書評

子供のいる男性で、職場であまり育児話が出来ないという方には勿論オススメ。ちゃらんぽらんな二人の語りが何とも微笑ましい。

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東浩紀とは

東浩紀さんは、1971年、東京三鷹市生まれの作家、思想家です。オタク擁護の批評家として有名です。

思想地図を刊行する出版社「ゲンロン」の代表取締役社長兼編集長を務めています。愛称は「あずまん」。

1993年、「批評空間」で「ソルジェニーツィン試論」にて評論家としてのデビューを果たします。以後、多くの人文科学系誌に批評を掲載していきます。

「批評空間」で連載をした「存在論的、郵便的 ジャック・デリダについて」という著書が異例の売れ行きで一躍注目を浴びます。当時、「AERA」で表紙を飾るなど話題の人となりました。

2008年に「東浩紀のゼロアカ道場」を講談社BOXにて開催し、北田暁大氏と共編で、思想誌「思想地図」刊行。以後、同誌は、後の出版社ゲンロンとなり彼の活動の拠点となります。

微笑ましくもなんか可笑しい口調が優しい

ホンネで語り合う白熱の討論!
もはや父親として、この国の現状を黙視してはいられない。育児体験の比較から、教育問題や男女のパートナーシップのあり方までを論じ、子ども手当など保育支援策を検討、若者の非婚や少子化をいかに乗り越えるかを語り合う。ツイッターなど新メディアを利用した民主主義の未来まで、今日の知的課題をも浮き上がらせる。

東浩紀氏が、2009年に社会学者の宮台真司氏と2回に渡る対談を行いました。その内容が収録されています。

その語りは、同年代のパパであれば思わず頷いてしまうことばかりです。

子どもが生まれて意外に思ったことってありますか?僕が意外だったのは、子どもってノイジーだけれど、少しも気にならないことでした。

そして、彼はこう続けます。

子どもを作ることに躊躇があったのは、よくある話ですが、仕事の邪魔になるのではと心配したからです。~およそ三割は能率が下がります(笑)。でもそれが心理的なダメージになるとおそれていたのに、不思議なことに全く苦にならない。むしろ三割くらいだったら「まあ、いいか」と思ってしまう。

子供を持つ男性であれば、とくに仕事に多くの時間を割いている方であれば、うんうんと頷いてしまうはず。

職場でなかなか育児話が出来ないという男性。そんな方に、いわゆる育児書ではなく「父親の立場として考え」て語った対談は、何気にオススメ。

ですから、これは著者としてのファンの方には物足らないでしょう。ともすると単なる居酒屋のオヤジの語り合いじゃん、という感想を持つのかも。

しかし、二人の微笑ましいほどの語りは、読んでいて不思議に笑いを誘われます。何気に広いテーマに言及しくところもあるのですが、すーっとと読めてしまうのは流石といったところでしょうか。

子どもをもつ同年代の男性に

私はかつて「パパ会」という飲み会を開いたことがあります。

しかし、年とともに話題がズレたり、それほど心配することが減ってきたりと、ほどなく遠くなってしまいました。

しかし本書で、ああやっぱり男ってそうだよなと思い出しました。また、普段ふつうに思っていることでも、東浩紀さんにちょっと洒落た言葉で言ってもらえると、まんざらでもないかなと、ほっこりした気持ちにも。

父な人も、男って父になるとこう考えるのかと知りたい人にも、やっぱりオススメ。たまにはこういう対談本もどうぞ。

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