やなせたかしさんが心不全のため他界されました。94歳。ご冥福をお祈り申し上げます。
やなせたかしとは
1919年生まれのやなせさんは、もともとはグラフィックデザイナーとして、社会人生活をはじめます。
高知で育ち、大学は千葉大工学部を卒業し、田辺三菱製薬や、三越伊勢丹などで、そのデザイン活動をされていました。
その後独立し、漫画家、ラジオドラマの脚本、童話なども手がけます。月刊「詩とメルヘン」を自ら中心となって立ち上げ、30年に渡り多くのクリエイターを輩出してきました。
人気作「アンパンマン」は、1973年「あんぱんまん」とひらがな表記で出版され、2年後片仮名に変更された続編「それいけ!アンパンマン」が出版され、1988年にアニメ化が実現します。じつにやなせ氏69歳のことです。
埼玉県浦和うなぎまつりの「浦和のうなこちゃん」、長崎県佐世保市の佐世保バーガーボーイなど多くのキャラクターも描かれ、とても身近なデザイナーさんとしても多くの方に親しまれてきました。
やなせたかしさんのインタビューがまとめられた本
やなせ氏は現在93歳。目も耳も悪くなり、がんを患って腎臓も片方がなく、すい臓は三分の一切除。胆嚢もなく、腸閉塞で腸を切り、心臓にはペースメーカーが入っている。しかし、東日本大震災では、「アンパンマンのマーチ」が被災地を勇気づけ、やなせ氏もアンパンマンのポスターを描いて避難所に送り、現地にもかけつけた。漫画家になりたいと上京しながら芽が出ず、様々な職業で生活をつなぎ、くじけそうになるたび、「何のために生まれてきたのか」と初心に戻り、アンパンマンがヒットしたのは69歳。同じ生きるなら自分もまわりも楽しくしたいと、いつも前向きを心がけてきた
いやほんと、マジで凄いですよ、やなせさんって。
なんか元気そうなイメージがあるんですけど、目が悪い中で原稿書くとか、内臓もいろいろと切って、それでも仕事してます。ほんとリアルアンパンマンです。
本著は、各界一流のプロの半生をインタビューで解き明かす人物ドキュメント番組「100年インタビュー」(NHKBSプレミアムで放送中)の単行本化されたもので、やなせさんの当時の活き活きとした受け答えを読むことが出来ます。
しかし驚くべきは「アンパンマン」のヒットは69歳ということ。人間の可能性や素晴らしさについて感動を与えてもらう人は少なくないのではないでしょうか。
アンパンマンの願いは永遠です。ご冥福をお祈り致します。