有料電子書籍は死んだ、2015年は10円本がKindleランキングを席巻する

すでにKindleの写真集カテゴリーでは10円本が上位を占めています。

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ランキング上位が「ほぼ無料」本

Kindleランキング
遅かれ早かれ無料化に進む

Kindleの写真集カテゴリーランキングが凄いことになっています。

有料本のトップ3が10円、10円、99円で、もはやタダ同然の状態になっています。タイトルも名前の通ったグラビアタレントの写真集で、いわゆるインディーズ本と呼べるものではありません。

この様相は他のカテゴリーにも広がるのでしょうか。

他カテゴリーでも多くの100円以下本が

他のカテゴリーではどうでしょうか。左から有料本の1~3位です。ランキングは1時間おきに更新されますので、あくまで調査時点での順位です。※2014年12月11日 22時05分時点

25カテゴリーで全TOP3の平均額は、1位374円(中央値270円以下同様)、2位326円(199円)、3位494円(360円)でした。しかし、これは何と後述のアメリカよりも安い価格なのです。もちろん平均額も、カテゴリーごとの規模が違うでしょうからあくまで参考値ですが、中央値で200円を切ってしまう状況には驚きを隠せません。

◇文学・論評
929円、880円、1280円

◇人文・思想
100円、50円、199円

◇社会・政治
929円、270円、50円

◇ノンフィクション
399円、200円、400円

◇歴史・地理
100円、350円、199円

◇ビジネス・経済
270円、648円、490円

◇投資・金融・会社経営
1500円、195円、1050円

◇科学・テクノロジー
100円、857円、1800円

◇医学・薬学
400円、600円、571円

◇コンピュータ・IT
108円、108円、108円

◇アート・建築・デザイン
299円、60円、360円

◇実用・ホビー
50円、1080円、1500円

◇スポーツ・アウトドア
100円、540円、590円

◇資格・検定
500円、179円、99円

◇暮らし・子育て
100円、120円、300円

◇旅行ガイド・マップ
350円、199円、980円

◇語学・辞事典・年鑑
100円、199円、100円

◇教育・学参・受験
199円、100円、533円

◇絵本・児童書
100円、90円、100円

◇コミック
432円、100円、400円

◇ラノベ・BL
216円、216円、680円

◇タレント写真集
10円、10円、99円

◇エンターテインメント
800円、500円、257円

◇楽譜・スコア・音楽書
750円、100円、113円

◇アダルト
500円、500円、100円

アメリカのキンドルでは

アメリカのAmazon.comも調べてみました。日本時間で2014年12月11日22時54分時点のカテゴリー有料TOP3です。

アメリカの書籍の相場がわからないのでコメントしにくいですが、それでも$0.99や$1.99といった書籍が目立つ状況は、日本とそれほど差はないように感じます。逆に日本のほうが10円や50円があるなど、平均値だけみますと日本よりは下げ止まっているともいえそうです。

29カテゴリーで全TOP3の平均額は、1位$4.94円(中央値$3.49以下同様)、2位$5.28($3.99)、3位$5.59($3.99)となりました。

◇Arts & Photography
$1.99 $1.99 $2.99

◇Biographies & Memoirs
$2.99 $3.99 $1.99

◇Business & Investing
$12.74 $2.99 $15.09

◇Children’s eBooks
$6.99 $2.99 $3.99

◇Comics & Graphic Novels
$0.99 $1.99 $3.99

◇Computers & Technology
$8.89 $9.99 $12.99

◇Cookbooks, Food & Wine
$0.99 $1.99 $1.99

◇Crafts, Hobbies & Home
$7.99 $1.99 $5.99

◇Education & Teaching
$2.99 $2.99 $2.99

◇Gay & Lesbian
$4.99 $4.99 $4.99

◇Health, Fitness & Dieting
$0.99 $0.99 $9.49

◇History
$2.99 $1.99 $2.99

◇Humor & Entertainment
$12.99 $11.04 $1.99

◇Literature & Fiction
$0.99 $3.99 $6.99

◇Mystery, Thriller & Suspense
$4.99 $10.99 $3.99

◇Nonfiction
$2.99 $3.99 $1.99

◇Parenting & Relationships
$11.89 $9.49 $10.99

◇Politics & Social Sciences
$1.99 $10.99 $10.99

◇Professional & Technical
$8.99 $10.99 $8.89

◇Reference eBooks
$1.99 $0.99 $2.99

◇Religion & Spirituality
$0.99 $0.99 $1.99

◇Romance
$0.99 $4.99 $0.99

◇Science & Math
$8.99 $10.99 $8.89

◇Science Fiction & Fantasy
$4.99 $4.99 $0.99

◇Self-Help
$9.78 $12.74 $7.99

◇Sports & Outdoors
$2.99 $2.99 $13.99

◇Teen & Young Adult eBooks
$6.99 $2.99 $2.99

◇Travel
$3.99 $9.99 $1.99

◇Foreign Language eBooks
$1.30 $0.99 $3.99

すでにアプリの世界は無料が主流

すでにスマホアプリの世界では無料が主流となっていて9割を占めるといいます。

2010年から2012年にかけて、App Storeの無料アプリの比率は80%から84%に増えたが、しかし2013年の初めにはそれが90%に成長した(下図水色の部分)。そして有料アプリ10%の内の6%は、価格が99セント以下だった

現状ではKindleが、0円出版をセールなど特別な場合をのぞいては認めていないため、まだ10円という価格がついていますが、今後0円が認められるようになれば、流れはいっきに加速していくと見られます。

仮に0円本というのは、紙の世界で言えばいわばフリーペーパー。つまり、ほとんどを広告で埋めることになります(アプリのように課金は出来ないため)。前述の記事では、一部のカテゴリーではまだ有料が求められているとしながらも、有料アプリは「わずかな例外」としており、今後広告本がランキングの上位を占めるようになってしまうのでしょうか。

いや実はすでにタイアップ本が上位をしめています。これは日産の新車カタログをKindleで0円で配布したキャンペーンです。TOP20に3車種ものカタログがランクインしています。

日産 セレナ[SERENA] Kindleカタログ 電子書籍: 日産自動車: Kindleストア

ただ、前述のランキングを見ますと、現状0円本を認めていない状況では、いずれ下げ止まりも来るものとは思われますが、無料漫画アプリなどの勢いがある日本では、どうなるかは予想もつきません。

企業が管理する新たなネット空間なのか

コンテンツが無料といえば、そもそもホームページなどがそうだったはずです。今後、アプリと同様に電子書籍も無料化が進むとしますと、話を飛躍させますと、一企業が管理する新たなネット空間が登場するといっても良いかもしれません。

しかし競争が無ければ独占ともいえ、それはあまり歓迎すべき世界ではないかもしれません。しかし、そのアンチテーゼとして、ネット上に無数の無料本が出回ったり、ソーシャルDRMの書籍が出回ることも考えられ、今後、大手のマーケットプレイス対その他、という対立軸になっていくのか、2015年もまだまだいろいろとありそうです。